岬のマヨイガ

失ったこと、戻れないこと、君がいてくれたこと。
岩手県・狐崎を舞台に、東日本大震災の記憶も交えつつ、居場所を失った2人の少女たちが家を見つけるまでの物語。
原作とは大幅に設定を変えているようですね。主人公・ユイは成人女性から17歳の女の子に設定されているし、その他にも色々。原作をまだ読めていないので単純な比較はできませんが、よかったです。
「昔々、あったずもな」から始まる、おばあちゃんのキワさんが語る昔話は、日本昔ばなしのような牧歌的な表現ではなく、スピード感溢れる作画で印象的。お話的にも緩急が生まれていて素敵でした。
爪痕の残る倒壊した街、その一方で野山の美しさ、料理の暖かさ、残され生きていく人の営みを丁寧に描いています。
古今東西の妖怪・ふしぎっとの存在もあって、大人から子供までわくわくして観られるのではないかと。
(河童が赤いのはびっくりしました。遠野駅前の河童像が赤いようなので、そこからとったのかな?)
震災のことを忘れてはならない、けれどそれ以上に、希望があることを忘れないで欲しい。
そのように、丁寧に、真摯に作品と向き合ったのだろうなぁという想いを感じ取れました。

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