リザとキツネと恋する死者たち

幽霊も恋の病にかかるのか? 日本フェチが乱れ飛ぶ作品。
ハンガリー、ブタペストが舞台なのですがモチーフとしての日本が沢山出てきます。劇中歌は昭和の歌謡曲風だし、主人公のリザは日本歌手の幽霊(?)トミー谷と暮らしている。リザ、トミー谷、そして彼女を監視することになったゾルタンというおとぼけ警部補との三角関係。(三角といっていいものか、なにしろトミー谷の存在を知覚できるのはリザだけなので。しかも彼女はその好意に気づいていない……)
心がほっこりするようなラブストーリーというとアメリを思い出しますが、こっちはもうちょっとマニアックというか、演出がいちいちシュールです。映画というよりミュージックビデオを観ているような感覚。しかし奇抜すぎることもなく、お話の流れはしっかりしています。ラブ、コメディ、サスペンスが三位一体となっていて。全体的に気楽に観られる作品だと思います。パッケージを見るとおしゃれな感じのラブストーリーって雰囲気たっぷりですが、変な映画が観たいときにおすすめかも知れない。
それにしてもトミー谷のインパクトがいちいちすごかった……。